焼酎・ウィスキー
焼酎は世界に誇る日本の蒸留酒です。紀元前3000年頃、古代オリエントで生まれた蒸留技術は、長い時間をかけて東へ西へと伝えられ、世界各地でさまざまな蒸留酒が誕生し、日本では焼酎が生まれました。「焼」は加熱する、「酎」は濃い酒という意味。つまり焼酎とは加熱して得た濃い酒となります。無味無臭のホワイトリカーに対して、本格焼酎は原料のもつ香りや風味をうまく引き出しているのが特徴。原料のもつ個性が生きているため、ウィスキーやブランデーのように貯蔵・熟成することによって、その風味や味わいに変化をもたせることができます。
土地ごとの伝統とこだわりが息づく、原料と製法のバリエーション。そこから生まれる風味の違いは、興味のつきない奥深さを持っています。
また、数ある世界の蒸留酒の中でも、珍しく温めたり食中酒として楽しめるなど、多彩なスタイルの飲み方が出来るのも特徴です。伝統の味を受け継ぎ、原料の香味が活きる、個性的な味わいの本格焼酎、泡盛。その奥深く豊かな世界をお届けします。
麦焼酎
麦焼酎はその昔、元冠の折に中国から朝鮮半島経由で、壱岐に伝来したといわれています。その後、福岡県・大分県など九州地方に普及してきました。麦焼酎には、米麹と麦で造る伝統的な「米・麦製」と、麦のみで造る「純麦製」があります。
芋焼酎
芋焼酎は、九州南部の鹿児島県や宮崎県で主に生産されています。中でも焼酎王国 鹿児島県は、生産量・消費量ともに全国1位。その昔、米作りには適さない土地柄であったために栽培された甘藷(さつまいも)が原料となっています。甘藷の風味とソフトな甘さが魅力で、味の特徴は原料となる芋を厳選する工程によっても左右されます。
米焼酎
熊本県、人吉盆地、球磨地方で造られる米焼酎を、特に「球磨焼酎」と呼びます。北九州の清酒造りの影響で、米麹と米で造られるようになり、江戸時代から「球磨焼酎」の名で親しまれてきました。伝統的な製法による米焼酎の風味は、濃醇な旨味が特徴。最近では、フルーティーな吟醸香の軽快な風味のものが人気です。
黒糖焼酎
「和製ラム」とも呼ばれる黒糖焼酎の原料はサトウキビ。サトウキビの茎を搾り、煮詰めてできた黒糖と米麹を使い、発酵・蒸留して造ります。鹿児島の奄美諸島のみに製造が許されている焼酎です。黒糖の香りがあり、原料を同じくするラムに似た風味で、甘くやさしく芳醇な味わいが特徴です。
泡盛 他焼酎
沖縄県にだけ製造が許されている泡盛は、焼酎のルーツと言われています。長粒米と黒麹を用いた米麹のみで仕込まれるのが特徴。古酒(クース)と呼ばれる3年以上熟成させたものは、貴重な風味として珍重されています。
原料に栗や胡麻、ワカメなどを使用した焼酎もあり、独特の風味がうけています。
ウイスキー
昭和50年代から昭和60年頃、一世を風靡した「地ウイスキー」です。発売当初より現在まで、かたくなに製造方法を守り「地ウイスキーファン」の方の為に世に送り出しています。発売当初は、ウイスキーに級別がありました。当時は2級の「地ウイスキー」として味が良く、お手頃な価格ということで多くのファンの方に愛されておりましたが、平成元年以降、等級廃止・酒税改定など逆風が吹き荒れるなか、現在に至っています。